「指標の話」

東京証券取引所には「JPX日経インデックス400」という株価指数がある。
少し前に導入されたもので、自己資本利益率(ROE)や営業利益を重視した銘柄選定方法に特徴があるようだ。
海外投資家の間ではROEは投資判断をする際の重要な要素のひとつとされており、「JPX日経インデックス400」は海外投資家を意識したものなのだろう。

ROEとは、Return on Equityの略で、収益性分析で用いられる株価指標のひとつである。
自己資本に対してどれだけのリターンが生み出されているかを示すと言われる。
ROEの算式は、(当期純利益/自己資本)×100=ROE(%)で表される。

このROEは高いほうがもちろん良いのだが、高ければ高いほど良いというわけでもない。
自己資本が少なく負債が多い場合には、ROEが高くなる傾向があり、ROEを追い求め負債を多くすればするほど、倒産などのリスクが高まるからだ。
負債と自己資本のバランスも重要になってくる。
日本経済新聞によれば東証1部上場企業の2013年度ROEの平均は8.6%だったようだ。

中小企業においては、株主が社長やその親族で構成されていることが多いため、上場企業のように外部の投資家を念頭において、ROEなどの指標を意識した経営をすることは少ないかもしれない。
ただ、自身の会社の経営状況の把握のひとつの手段として、ROEなどの指標を一度算出してみるのも良いのではないだろうか。