「フォワードの法則」

 先日、娘の発表会で親子連弾(一台のピアノを二人で弾く)をしました。

 今年で3回目で、年明けから一日30分ほど夕食後の練習生活が半年以上続きました。少し背伸びをしたレベルの選曲をしたため、想定以上に練習と時間の工面が大変でしたが、今となってはすべてがいい思い出です。
 娘のレッスンに同行し、先生からアドバイスを受けるのですが、あまりに練習通りに弾けず、この歳になっても緊張するものなんだ、と技術面以外の課題にも悩んでおりました。
 
 色々、緊張対策?などをネットで調べたりする時期が続く中、ある本に出会いました。
 スポーツ選手のメンタルトレーニング専門の医師が演奏者向に書いた本で、本番で「気分がいい」状態を自分で作るには「フォワードの法則の3つのマインド」が大切と知り、心に響きました。(例はスポーツ選手が多いですが、演奏者向けにはコンクールなどを想定して書かれています。)
 
 一つ目は「尊重・尊敬」で、どんな人のアドバイスも受け入れる。
人は尊敬している人の意見は受け入れるが、そうでない人の意見は聞くだけで、受け入れない、という心理を意識的に変えるものです。マイケル・ジョーダンも「リスペクト」が成功のカギと色々なインタビューで話しています。
 二つ目は「応援」して自分のエネルギーを高めるのです。
応援すると自分もパワーがつく、という経験はオリンピックで記憶に新しいのではないでしょうか?相手のプレー如何で自分の心が乱れるよりも、心から応援する方が平常心を保てる、とタイガーウッズも語っています。
 三つ目は「感謝」で、高橋尚子さんは「あなたのおかげで自分も頑張れる!」とライバルに感謝して走ると、「負かしてやる!」と思って走るときに比べタイムがいいそうです。筋肉の緊張や血管収縮が少ないため酸素効率もいいそうです。
 
 演奏家やスポーツ選手など数秒・数分の世界で評価されるには、日々の練習のみならず一瞬にかける思いや、本番に強くなるためのメンタルトレーニングなど色々な試練があると痛感し、大変勉強になった夏でした。