「できることとやるべきこと」

 1~2年前だったと思いますが、友人と仕事の話をしていた際、「明日でいい仕事は明日やるという考え方に変えた」という発言に新鮮な気持ちになったことがあります。
 勤勉な日本人の傾向としては、何事もできることは前倒しで、今日やれることはやってしまおう、という考えの方が多いのではないかと思います。その逆にあたる“後回し・先送り”、という言葉にはやるべきことをやっていないというマイナスの印象があります。

 前倒しのメリットは、余裕のある状況を作り出すので突発的な事態にも慌てないで済むことと、締め切りに追われるストレスがないことでしょうか。勿論それは素晴らしいのですが、自分の時間は限られていますし、むやみにできることをやっていこうとすると残業しがちになりそうです。
 どちらの考えが良いという結論になるものではないと思いますが、“できること”ではなく“すべきこと”を吟味した結果、明日でいいことは後回しでいいのだと思います。

 つい残業しがちな私は冒頭の言葉を聞いてから、あえて、明日でいいことは明日にしようということを意識するようになりました。以前は後回しにしている仕事があると重要度にあまり関係なく何となく嫌な気がしていたのですが、考えた上での後回しという意識を持つことで気持ちがすっきりしていることが多くなったような気がします。このように優先順位をきちんと考えられることは仕事の効率化や満足度の高い仕事の提供に繋がると思っています。
 頭の回転が鈍い時は、調子を上げるために急ぎではない仕事から片付けて気分を上げていくこともありますが、そんな時もやるべきことに支障をきたさない範囲でと意識しています。最近、ようやく頭になじんできた気がします。