「これからの国民生活は?」

昨年12月の衆議院選挙で自民党が大勝利を収めたのは記憶に新しい。
自民党の公約には、2%のインフレターゲットの設定、大胆な金融緩和が掲げられているが、これで経済が上昇に向かうのだろうか。
政府は、大胆な金融緩和により物価を上昇させ、所得の増加を図るようだ。「物価の上昇⇒所得の増加⇒消費の増加⇒物価の上昇」という具合に。
現在のデフレは逆で、「物価の下落⇒所得の減少⇒消費の減少⇒物価の下落」という認識なのか。

統計局の消費者物価指数を見てみると、多少の波はあるものの1999年から下落傾向を示している。また、国税庁の「民間給与実態統計調査」によれば、民間給与所得者の平均給与は2011年度は409万円で、1998年から下落に転じている。所得の減少が先のようだが…現在のデフレは「所得の減少⇒消費の減少⇒物価の下落」ではないだろうか。
私は経済の専門家ではないが、経済を上昇に向かわせるには、所得の増加が先なのではないかと思う。「所得の増加⇒消費の増加⇒物価の上昇」が、あるべき姿だと。
ただ、現状の日本は薄利多売による競争激化、経済のグローバル化による雇用喪失などにさらされており、今後簡単に所得が増加するとは思えないが…。

 
今のところ経済の専門家から目立った批判は出てないようだが、物価を先に上昇させて所得を増加させようという政府の政策は心配だ。
仮に物価を上昇させることができデフレが解消されてとしても、所得の増加なき物価の上昇は、国民の生活を苦しくさせるだけだろう。
現在のデフレ下では、所得を現状維持できれば実質的には所得は増加していることになる。だから、極端なデフレに陥らない限りは、現状のままのほうがマシと言えるのではないだろうか。夢のある話ではないが…。私の心配が徒労に終わることを願うばかりだ。