仕事観いろいろ

先日、友人から相談を受けました。
「自分のペースで好きなだけ仕事をしたいのに、会社から早く帰るように言われる。
管理職待遇なので残業・休日手当は無く、深夜残業手当は出るが、申請するつもりはなく、そもそも十分な処遇を受けているので不満もない。何か問題なのか?」との趣旨でした。
 
 今までは「会社が労働者を働かせる際に気をつけること」という視点から法律を考えることが多かったのですが、「仕事意欲のある労働者の弊害になるもの」という視点から考えたことがあまり無かったので新鮮でした。
 
 まず、残業代が無いからいくらでも働かせてよいという解釈はなく、管理職は役員ではなく労働者なので、有給、労働日と休日の明確な線引きが必要で、もしケガなどした場合は労働時間か否かで労災の適用にも影響します。
 会社も心身の健康を害するような労働を看過してはダメですし、ブラック企業というレッテルの社会的制裁は重いものです。
 また、国の方針として労働時間削減、有給消化促進などいわゆる「時短」を進めているので企業側も対策を余儀なくされています。
 もちろん一時的なものではないため国策「時短」の大きなトレンドは今後も続いていくでしょう。今春にも一定条件がありますが、有給消化義務を含む労働基準法の改正がある予定です。
 
 「仕事への熱意、モチベーションを上げるにはどうすればいいのか?」といった人事面の相談や、そのジャンルの啓発研修・書籍も多くあります。
 仕事意欲のある人にとって法律やトレンドの「時短」がボトルネックになっていると考えると「もったいないなぁ」と複雑な悲しい気持ちになります。

 法律がボトルネックの場合は経営努力で改善できませんが、意欲・能力を生かせるような幸せな労働環境整備には経営者の影響が大きいと思います。
 参考になるような事例があればご紹介できるよう、今後も情報収集・自己研鑽に努めていきたいと思います。