「数字のからくり」

 先日、こんな経験をしました。

 以前から気になっていた商品がバーゲンになっていたので、それを買いに行った時のことです。

 そのお店には、『2点以上購入で、さらに10%OFF』の表示がされていました。

 そこで店内をざっと見てみたのですが、他に欲しいものも無く、目的の商品だけを持ってレジに並びました。すると、店員さんから決まり文句のように「もう1点購入いただけば10%OFFになりますよ。」と言われました。

 分かってはいたのですが、無理して買うのも・・・と思い、結構ですとお断りをしました。

 すると、その店員さんは近くにあった商品を手にとって、「これを持って帰っていただくだけで、1点目の商品がさらに安く買えるんですよ。」と。

わたしは一瞬、何のことを言っているのか理解できなかったのですが、目の前で電卓をたたき、計算してくれました。

 店員さんによれば、1点目15,000円の商品に2点目1,000円の商品を購入することで、2点で14,400円になるのです。つまり、そんなに欲しくないかもしれませんが、2点目の商品を持ち帰るだけで、もともと欲しかった1点目の商品がさらに安く買える計算になるのです。

 わたしは、欲しい商品をもう1点探すことしか考えていなかったのですが、うまく利用すればそんなお得な方法があるとは・・・と大変驚きました。

 不要なものを手にすることへの是非はあるかもしれませんが、今回は使い続けられそうな商品を勧めてもらえたので、喜んで2点購入し、さらに10%OFFしてもらうことにしました。

 自分では気付くことのできなかった、数字のからくりに驚くとともに、店員さんの親切に感謝しました。もしかしたら販促の意味もあるのかもしれませんが、わたしにとっては大満足の結果でした。