「内製化と外注化」

 社内で行うか、外注化するかという経営問題については、どのように考えるのがよいのでしょう。
一般的には、社内でできない場合や、頼んだ方が安かったり早かったりといったメリットがある場合、外注化(アウトソーシング)して選択される企業が多いと思います。
 
 例えば配送業務を例として、出前ピザ屋とネットスーパーの場合で比較してみます。
出前ピザ屋の場合、注文から短時間で焼き立てピザを配達する業務は、対応が難しく外注コストが高くつくので、直接従業員が配送した方が得策といえるでしょう。
一方で、配達までの時間制限がそこまで厳しくないネットスーパーの場合には、外注を利用するケースが多いと思います。
社内で行う場合と比較して、配送コストが安くなったり、配送を外注することで販売という本業に集中できたりするからです。
 
 最近は外注化していた処理を、内製化する価値を見直す企業が増えているようです。
 内製化の一般的なメリットとして、スピード、技術の空洞化を避ける、コスト削減などが挙げられます。
 震災時によく耳にしましたが、最近はリスク管理の一環としても見直されています。
 
 外注化するかどうかに関する問題に関しては、経済学者ウィリアムソン教授が「企業の境界分析」という理論で2009年にノーベル経済学賞を受賞しています。
 社内で行う場合でも外注を利用する場合でも、社内・社外という違いはあるものの、同じ組織としても問題であるという整理の元に、理論的な考察を行ったことが認められたようです。

 そのような難しい話はよく分かりませんが、私共のお客様における会計業務や給与計算業務等についても、自社で行う業務と、私共にご依頼いただく部分のルールについては、いろいろなパターンがあります。
 現状のルールが、当初の想定からかけ離れている場合や、会社内外の経営環境に大きな変化があって見直ししたい場合などは、お気軽に担当者までご相談いただければと思います。業務の効率化や簡素化等の提案も含め、適切に対応いたしたく思います