「一声かけて」

 先日、友人が美容室をオープンしました。

 10分で1,000円のカット専門店です。業態からみて、値段が安いのはもちろんのこと、短時間で終わることを希望して来店されるお客さんも多いことから、要望に応えるのが大変だと言っていました。

 一人終わった頃に次の一人が来てくれれば、何の問題もないのですが、店内が混み合っているときに限って、次々にお客さんが来ることがあるようです。

 お店に行ったとき、誰もお客さんがいなければ10分で済ませてもらえると期待してやって来るお客さんは、何分までなら問題なく待ってくれるのでしょうか?

 

 個人差はありますが、そのお店では美容師2人体制で、待ち人数が4人になると店内の雰囲気が変わってくるそうです。空気感が違ってくるのかもしれません。

 ただ、お待たせしてしまい申し訳ありませんという気持ちと、あと何分かかりそうかということを、一声かけるだけで、お客さんの様子もだいぶ変わってくるそうです。店内の様子をみれば、無駄なく手早く作業されていることや、あと何分待ちかということもだいたい分かります。

しかし、それを声に出すことで、気に掛けていることが伝わると、少しは気長に待っていただけるのかもしれません。

 

 相手に対して、分かってくれるだろうとか、言いたいことは伝わっているだろうという気持ちを持ってしまいがちですが、分かっていても改めて声をかけることに意義があるのだと、友人の話を聞いて感じました。私自身も、気をつけて行動したいと思いました。

 また、美容師さんに限らず、どの業種にも忙しい時期というのはあります。しかし、その忙しさは、その会社にとって最も良い時期とも言えます。目先の仕事に追われて、お待ちいただいているお客さんに不快な思いを抱かせてしまっては、申し訳ないと同時に大変もったいないことだと改めて勉強になりました。