「プラスアルファの価値」

 先日、担当させていただいているお客様の決算の作業を一通り終えた時のことです。
 所長の石田に出来上がった書類一式を確認してもらい、達成感と解放感を感じていたまさにその時、石田に「ここから何ができるかなんだよね」と言われました。

 曰く、お客様にとっては決算書・申告書作成まではいわば「当たり前」であり、こちらがその作業にどれほど時間や労力を費やしていても、それはなかなか目に見えることではない。その先にどれだけ有益な情報を提供できるかのプラスアルファのところで、会計事務所や担当者の評価が決まるのだ、ということを言われたのでした。

 もしこのことを本で読んだり一般論として聞いたりしたら、「確かにそうだな」と思いながらも、そこまで響かなかったかもしれません。
 しかし今回このタイミングで言われたことで、「何とかしなくては」という気持ちで一杯になりました。

 そこで自分なりに知恵を絞り、決算書上で実際の業績が分かりにくくなっている部分を省いて、シンプルに見やすく加工した前期比較資料を作成しました。
 お客様への決算のご報告の際にその資料を用いて説明しましたが、「こんなことができるんだ」と興味を持って見て下さり、来期の課題についてその場の話題が広がるきっかけとなりました。

 日頃から常に経営のことについて思索されているお客様に対して、少しでもヒントになるような情報が提供できるよう、いつもアンテナを高くしていなければならないということを改めて感じた一件でした。