「パラレルキャリア」

「パラレルキャリア」とは会社勤めなどの本業を持ち、それ以外の社会活動に取り組み自己成長していく新しい生き方のことです。
 寿命が延び、会社の定年などに縛られることなく、活躍し続ける1つの方法としてドラッカーが提唱したものです。

 ここでの「キャリア」とはキャリアウーマンの「キャリア」とは違い「役割」の意味で、
仕事や家庭など本業とは別の役割(報酬の有無は無関係)を積極的に持とう!というものです。

 具体的には、プロボノ、副業、NPO活動などが挙げられます。
 
「ボランティア」は能力を問わず時間と単純労力の提供に対し、「プロボノ」とはその人が職業を通じて身につけた「職能」を提供するという違いがあります。確定申告時期の税理士無料相談などをイメージしていただけるといいと思います。
 日本では震災を機にボランティア休暇を設ける企業が話題になりましたが、アメリカではプロボノ活動を強く推奨するところも多いそうです。
 
日本でもパラレルキャリアの価値観が浸透しつつあるとはいえ、まだまだ副業に対する社会的理解は低いのが現状です。
 特に経営者の立場からすると背信的、不誠実とも考えられ、本業に支障が出るのでは・・・との懸念から多くの企業は就業規則で副業は「許可制」になっているケースがほとんどです。
 今年ニュースになった大企業の副業制度導入も日本ではニュースになるほど珍しいのです。

 前述のような積極的理由から副業推奨している企業もありますし、終身雇用が崩壊している現状のリスク対策として各個人が考えるべきという意見もあり、大変興味深い問題です。
 事例が先行し、労働法などの整備が後追いですが、人生設計に大切な価値観だと思うので前向きに捉えていきたいと思います。