「そうでもないですよのゆとり」

「お忙しいですか?」
と聞かれれば、
「そうでもないですよ。」
と出来る限り答えるようにしています。

 会計事務所は時期によって繁忙感が異なります。
弊社では3月~5月決算の会社が他の月に比べると多い傾向にあるため、5月~7月までは法人決算の申告作業に追われていることが通常です。
その上、私はこの時期に2件相続税の申告を請け負っており、「全て無事に終えられるかな・・・」といった漠然とした不安がありました。

 ただ、この繁忙感は昨年も味わっているので、今年も同様の繁忙感を味わっていては残念ながら全く成長していないと言われても仕方がありません。
どこにどの程度の時間がかかるか、どう強弱をつけて作業を進めるべきか、はあらかじめ分かっています。
 そのため、作業する前にある程度日程と作業工程のシミュレーションをし、社内で手伝ってもらえる部分、自分でしか出来ない部分の色付けを行い、結果として最低限の残業で全て期限内に終えることができました。

「いや~7月まで多忙でして・・・」
 と言いつつこれまで通りの方法で時間をかけ、新しい業務に取り組まないことは非常に楽で、意識しないと流されてしまいそうになります。
 しかし、それでは今回のように相続税申告の経験値は積めなかったと思います。
 社内でも、担当者とは別に申告書チェックを行う役割がありますが、それについてもお願いされることはなかったでしょう。

 私が何かを依頼する側に立ったとしても、忙しいとバタバタしている人よりも、多少ゆとりある人に依頼したいと思うので、忙しかったとしてもゆとり感を出し、新しい業務に積極的に取り組む姿勢を今後も大切にしていきたいと思います。