「税制改正から」

 税制改正大綱という言葉を聞いたことがあるだろうか。
 会計税務業界に従事するものにとっては毎年恒例のもので、翌年度以降の税制をどのように変えるかをまとめたものである。また、税理士会だけでなく、様々な業界団体の要望も盛り込まれることが多い。
 基本的には、この税制改正大綱をもとに税法が改正されることになる。

 平成29年度の税改正大綱は昨年12月に公表されており、過去の予定からすれば、平成29年1月中に税制改正法案が国会に提出され、平成29年3月下旬に税制改正法案が成立というスケジュールになると予想される。
 そして、平成29年4月1日に施行されて、税法が改正されるという流れになっている。

 諸外国の税法はわからないが、日本の税法は毎年改正が行われ、会計税務に従事する者にとってはその都度アップデートすることになる。
 ただ、当法人へ顧問契約の変更を依頼されるお客様の過去の申告書を拝見すると、前顧問先でアップデートができていないのではないかと疑う事例がある。
 たしかに、アップデートにはそれなりの労力がいるのかもしれないが、税理士として当然のことであり、できなくなれば引退する時なのだろう。
 お客様の要望に応えていけるよう、税制改正のアップデートだけではなく、知識・経験のレベルを上げられるよう精進しなければと思う。

「新年を迎えて」

 リオオリンピックで、タカマツペアが日本バドミントン界で初の金メダルを獲得したことは記憶に新しい。
 私も少し頑張ってみようと思い、全日本シニアバドミントン選手権大会への出場を目指そうかと。愛知県代表として。

 バドミントンは、タカマツペアのように第一線で活躍できるのは30歳程度と言われている。
 20歳代と30歳代では、プレーの速さ、パワー、持久力などに差があるからだ。
 そのため、バドミントンの大会では30歳未満は一般、30歳以上はシニアという区分けをされていることが多く、シニアはさらに、30歳以上、35歳以上、40歳以上・・・と、5歳ごとに分けられている。
 全日本シニアバドミントン選手権大会は、30歳以上で各年代のトップを決める大会なのである。

 選考基準となる愛知県の選手権大会で、30歳以上40歳未満の部でベスト8に入ることができれば、全日本シニアへ出場できる可能性があるだろうと。
 今年は、愛知県の年代別でのベスト8と審判員資格を取得して、全日本シニアバドミントン選手権大会への出場を目指してみようと思う。何年かかるかわからないが。

「子どもから学ぶ」

 先日、ありがたいことに、ある社長の自宅に招かれて、家族同士で食事をする機会があった。
 社長の家族構成は、社長夫婦と長男、小学6年生の長女、小学4年生の次男といった具合で、私の家族構成は、私と妻、1歳の娘である。

 私の娘は若干人見知りするので、社長の自宅に入ってから5分ぐらいは泣いていたが、しばらく抱いていると慣れたのか泣き止んだ。
 その後は、社長の長女と次男が遊んでくれて、娘も楽しそうにしていた。
 次男が小学4年生とは言え、私の娘と8歳ほど離れているので、お互い遊び相手になるのだろうかと心配していたのだが、徒労に終わった。

 社長の子供達が遊んでくれたおかげで、娘は特に泣くことも無く、私や妻に遊んでくれと言うこともなく、3時間ほど社長夫妻との夕食を楽しむことができたのは驚きだった。
 私や妻と遊ぶより、お姉ちゃんお兄ちゃんと遊んでいるほうが楽しそうだった。
 恐らく私たち夫婦がその場からいなくなっても、泣くこともなく楽しく遊んでいたことだろう。
 自宅にいる時は、ハイハイしながら私の後を追ってくるのだが・・・

 子どもの適応力は凄いと感じた。
 1時間も経たないうちに、昔からずっと友達だったかのように楽しく遊んでいるのだ。
 大人だと、初対面から1時間程度では、どこかよそよそしさが残っていると思うのだが。

 子どもは何かするにしても最初は戸惑うのだろうが、すぐに適応してしまう。
 大人よりもはるかに優れた適応力を持っているのではないだろうか。
 歳を重ね気づかないうちに適応力が落ちている、柔軟な発想ができにくくなっているのか・・・子どもの姿から自分を見つめ直す良い機会でもあった。

「急な相続の依頼」

  先日、申告期限まで時間的猶予が少ない相続税の申告を終えた。
 お客様の関係者以外で、私が直接相続税の申告を引き受けるのは初めてだった。

 個人的には、お客様の関係者以外の相続税申告は、積極的に引き受けないほうが良いと考えていた。
 依頼人のお家のこれまでの過程や、財産の状況、家族の仲などの情報が全くない所からスタートするので、申告までに断続的に情報が出てきて、度々方針の転換をする必要が生じたり、何度も資料のやり取りをする必要が生じたりと、依頼人の方にも手間が余計にかかるなど、お互い良い結果にならない可能性があると考えていたからだ。

 今回、依頼人の方が相談に来られた時点で申告期限まで2ヶ月ほどしかなく、困っておられたこともあり引き受けることにした。
 姉妹間での公平な配分を第一に考えて欲しいとのことで、配分案から考えることになった。
 何度も足を運んでもらうのも申し訳ないと思い、想定される資料のリストを渡し、受け渡しが1回で済むように心がけた。
 また、家族の状況をヒアリングすると、2次相続も遠くない時期に起こる可能性があったため、今回の相続だけでなく2次相続まで合わせて相続税が低くなるような配分案を提案した。

 相続には様々なケースがあるので、何回も打ち合わせが必要なケースもあると思うが・・・署名書類や申告書控の受け渡しなど郵送でできることも、「取りに行ったほうが早い」ということで何回か来所されたが、それを除くと、資料の受け取り・方針の打ち合わせに1回、申告前の最終打ち合わせに1回の来所で済ませることができた。
 依頼人の方の手間はそれほどかからなかったのではないかということと、2次相続まで考えた配分案にもそれなりに満足していただけたようで、喜んで帰ってもらえたので私も満足感のある仕事だった。

「その道のトップとは」

 先日、大相撲の名古屋場所を観戦してきた。
 生で観るのは初めてだった。
 大相撲はテレビでもほとんど観ることがなかったのだが、人生の先輩と、国技なので一度は生で観戦してみようということになったのだった。

 大相撲を真剣に観たことがなかったということもあり、力士の方には大変失礼な話だが、体の大きな人達が体重を武器に押し合いをしているようなイメージしか持っていなかった。
 小学校の時にあった相撲大会もそうだったから。

 ただ観戦していると、力士の眼光はとても鋭く、取り組みまでの気合の入りようが尋常ではない、絶対に勝ちたいという気持ちが伝わり、観るものを魅了するというのもわかるような気がした。
 格闘技とはこういうものなのかと。

 横綱の白鵬(はくほう)を近くで見ることができたのだが、ただ体重を増やしたのとは大きく違い、筋肉が鍛え上げられていた。
 さらに、威圧感というのだろうか、王者の風格なのだろうか、言葉では言い表せないそういうものを感じた。
 他の力士とは漂っているオーラが全く違うことに驚いた。

 横綱ともなれば大相撲の世界でトップだから、オーラがあるのは当然だろう。
 オーラは出すものではなく自然と出ているのだと思うが、会計・税務の知識が凄い、あの人と話すと何でも話してしまうなどなど、どんな種類でもいいので何かひとつでもオーラを持てるように、まだまだ精進したいと思う。

「体験の重要さ」

 先日、名古屋駅に家族で出かけてみた。子どもが小さいのでベビーカーを押して。

 地下鉄の鶴舞線から東山線もしくは桜通線に乗り換えることになるのだが、地下鉄東山線は人が多く、ベビーカーでスペースを取って他の人に迷惑をかけるのも気が引けたので、丸の内駅で乗り換えて地下鉄桜通線で名古屋駅を目指すことにした。
 丸の内駅は、乗り換え用の連絡通路はあるのだがエレベーターがなかった。
 地下鉄鶴舞線の改札を一度出て、地下鉄桜通線の改札から入り直さなければならず、普段感じることができない不便さを感じた。

 名駅は迷駅として有名で、エレベーターに苦戦するだろうなとは思っていた。
 高島屋や名鉄百貨店に行ったのだが、お互いの地下の食料品売り場を行き来できなかった(探せば行き来できる方法があったのかもしれないが)ので、結局一度地上に上がってから地下に降りた。

 地下は何かにつけちょっとした階段が多かった。
 地下からユニモールへ行くにもちょっとした階段があり断念。どこかにエレベーターがあったのかもしれないが。
 ベビーカーを押して名古屋駅周辺を歩いてみて、子ども連れや身体障害者の方にとってはかなり大変だと感じた。
 普段何気なく歩いているところでも、少しの段差に不便を感じる。

 相手の事を考えているつもりでも、実際に相手の立場になって気づかされることも多いと思う。
 私どもの法人においても、それぞれのお客様の側に立って、経営上役立つ話や節税提案などさせていただいているつもりですが、実は興味が無い話をしていたり、こういう話が聞きたかったのになどあるかもしれません。
 こういう話を聞きたい、など要望がありましたら、何でも言っていただければ幸いです。

「事前の準備」

5~6月は仕事とプライベートも若干忙しく、個人的には緊張感のある時期になる。
3月決算会社が多いのと、公認会計士監査を行っているためでもあるが・・・仕事に加え、5~6月はバドミントンの試合があることも大きい。
バドミントンの社会人チームに所属しており、愛知県社会人大会に参加している。
バドミントン国別対抗戦と同様、チーム対抗で5試合を行い3勝したチームが勝者となるものである。

試合に出るだけなら日曜日が丸2日ほど潰れるだけなのだが、相手には20代前半の若者も多く、30代後半の私には対等に勝負するだけでも大変になってきた。
瞬発力・動体視力・筋力・持久力などが低下するので、定期的な練習や筋力トレーニング、ランニングなどをしないと、20代前半の相手と対等に試合ができないからだ。
一応は5試合のうちの1勝を期待されていることと、今年から試合時の監督も頼まれ、監督兼選手として若者の前でいい加減なプレーはできないというプレッシャーもかかる。

1~2年前だと思うが、「情熱大陸」という番組で広島カープの黒田投手が、試合に出るための準備や身体的能力の維持などが大変で、選手を辞めたいと何回も言っていた。
レベルは全く違うが気持ちはよくわかるなあと。裏を返せば、試合までの準備がしっかりできなくなれば、引退すべきだという思いがひしひしと伝わってきて、さすがプロだと思った。

我々の仕事にも同じことが言えると思う。
準備をしなくても良い場合もあると思うが、大抵の場合は準備を疎かにすると、無駄に時間がかかったり、帰社後に何回もやり取りをする必要が生じたり、最終的にはお客様に迷惑をかけることにつながるだろう。
お客様の満足度や、仕事の効率化に繋がることなので、これからも引き続き準備をして仕事に臨みたいと思う。

「人工知能とクラウド会計」

 人工知能のAlphaGoと、韓国のプロ棋士イ・セドル氏が囲碁の五番勝負を行い、人工知能が4勝1敗で圧勝したというニュースを聞いた人もいるのではないだろうか。

 人間が負けたこと自体に驚きはなかった。
 世界の囲碁関係者の間では、人工知能が人間に勝つには10年かかると思われていたにもかかわらず、人間が負けた。
 要するに、人工知能の進化が人間の想像を超えているということに非常に驚いた。
 映画のターミネーターのような世界が訪れると言う人もいるようだが、あながち大げさでもないのだろうか。

 会計の世界でも人工知能の波がやって来ている。
 最近ではクラウド会計という言葉が定着しつつあるが、クラウド会計も人工知能の一種である。
 口座と連携しクラウド会計に口座情報を取り込めば、自動で仕訳を入力してくれる。
 今は使い勝手が悪い部分もあるのだが、そう遠くないうちにインストール型の会計ソフトより使い勝手が良くなるのではないかと思う。
 そうなると、入力といった仕事はかなり減るだろう。
 仕事を人工知能に奪われると考えるか、人がやらなくて良いことを人工知能がやってくれると考えるかはその人次第だが、会計業界の記帳業務はかなり縮小するだろう。

 さらに先を考えれば、どの特例が適用できるかなどは、法令などを調べるのに時間がかかる業務であるが、人工知能であれば数秒で判定できる時代がやって来るのではないだろうか。
 また、この取引は経費計上できるのかどうかなどの判断もやがて人工知能に置き換わるかもしれない。
 法を遵守した上での節税提案や経営上の助言、お客様の悩みを聞きだすコミュニケーション能力・経験など、短期間で人工知能に置き換わると考えられないものを、意識して磨いていく努力をしないといけないと考えさせられた。

「人との繋がり」

監査法人で働いていた時の同期や先輩などから、飲み会などお呼びがかかることがある。

どのような面々かと言うと、独立して会計事務所を開業している人、インドで会計系の会社を経営している人、M&Aのコンサルティング会社に勤務している人、金融庁に勤務している人、上場会社の経理財務部に勤務している人、監査法人に残っている人などなど。
こうして思い返してみると、それぞれが様々な業種・業界で働いていることに気がついた。

飲み会ともなると、8~9割が現在の仕事とは全く関係のない、監査法人時代の昔話などに花が咲くのだが、たまに今どんな仕事をしているかなども話題に上がる。
単純に知らない話が聞けて刺激になり良いものだ。

先日、監査法人時代の後輩から、同級生が独立するので相談に乗って欲しいという話があった。
同級生に変な人は紹介できないだろうから、一応は後輩から信頼されているということであろうか。
飲み会に何かを求めているということは無く、ただ楽しく飲めればいいと思いながら参加しているだけなのではあるが嬉しく思う。

所帯を持つとこのような機会は少なくなると思うのだが、名古屋にいることを思い出してもらえて、定期的に大阪や京都からお呼びがかかることには、本当にありがとうございますと言いたい。
ビジネス外で楽しく飲める仲間は財産の一つだと思うので、大事にしていかないといけないとあらためて意識した次第である。

「人」

個人的なことでありますが、昨年の晩秋に子供が誕生しました。
世間一般で言う子供のことは、好きなほうではなかったと思うのだが、自分の子供が誕生してかわいいと思えているのでほっとしている。
心境の変化だろうか、他人の子供を見てもかわいいと思えるようになったのも、良いことなのだろう。

昔、子供はいつまで見ていても飽きないと聞いたことがあるが、確かに生まれて1ヶ月や2ヶ月の赤ん坊を見ていると飽きない。
泣きたいときに泣く、眠たくなれば寝る、ミルクが欲しくなれば泣く、うんこをしたいときにうんこをするなど、まさしく本能のままに生きているからだろうか。

そういう姿を見ていると、子供が親からあれをやったらだめ、これをやったらだめと言われている光景が思い起こされた。
他人に迷惑をかけることは避けなければいけないが、本能のままに生きている姿を見て、これが人間の本来あるべき姿なのではないかと思う部分もあるので、できるだけ制限をかけないような育て方ができれば良いと思う。
あくまでも理想なのだが・・・。

企業経営の分野で言うと、人材の教育と似ているのではないかと思う。
特に新入社員の場合は、他の企業の色がついていないから、育つも育たないも自社の教育次第になるだろうから、まさに子育てと言えるのではないだろうか。
人材の教育は難しいことからすれば、子育ても難しいことは容易に想像できる。

子供をお持ちの経営者の方はもちろんですが、人材の教育という面でも経験豊富だと思いますので、機会があれば子育て論について教えていただければ幸いです。