「学校法人の世界」

 最近、学校法人森友学園に関するニュースが減少してきたが、国が国有地を不当に安く払い下げたのではないか、校舎建築に関する補助金を不当に得ていたのではないかと、問題になっていたものである。

 私も、学校法人の監査を引き受けている身なので、決して他人事ではない。
 そもそも学校法人(私立学校)とは公益法人の一つであり、私立学校法に基づき設立された法人である。 なぜ、問題が大きくなったかというと、原因は多数あると思うが、補助金が絡むことも一つの大きな要因であると思う。
 要するに、我々の納めた税金である。
 学校法人の運営に必要な資金、つまり、校舎の建築や教育関係の備品の購入、教員の人件費などは、生徒からの授業料や、国・都道府県などからの補助金により賄われている。
 補助金の割合は大きく、授業料を除くと大半が補助金であることも珍しくなく、一般企業とは異色の世界である。

 国や都道府県などから一定以上の補助金を得ている学校法人には、公認会計士による監査が必要になるのだが、私もその一翼を担わせていただいている。
 森友学園は一つの取引につき3通りの契約書を作成していたという報道もあり、本当か嘘かわからないが、にそこまで書類を用意されて嘘をつかれたり、非協力的な対応だと、監査をしても発見できない。
 そもそもこのようなことが問題になる学校法人を認可すべきではないだろう。

 会計税務のお手伝いは税金の納付側としてであるが、学校法人の監査は、補助金(税金)の使い道が正しくなされているかという視点の業務と言える。
 税金を納められているお客様の気持ちを汲み取り、有効に使われているか、正しく使われているか、しっかりチェックしなければならないとあらためて感じた。